:Lost meridian






愛しい人よ

あなたに去られてから 一体どれだけ経ったのでしょう?
見当もつきません
たった一日なのか もう何十年も経ったのか



懐かしい人よ

あなたという子午線を見失って
狂ってしまった私の時計は もう何の役にも立ちません










遠いあの日


あなたと出逢えた事は 小さな偶然でも
私にとっては大きな奇跡でした。

ありがとう 傍にいてくれて

いま 私はあなたから離れます

ようやく あなたは自由です



さようなら



忘れないで と いいたいけれど

もう 声も届かないのでしょう





あなたを想うことは 大地に種蒔くことと同じでした

すくすくと育つ想いはとどまることを知らず
明るい光の中
ただもう夢中で 憧れる太陽に向かっていって……


けれど 気付くべきでした


いくら時間をかけようと 花が咲く日など来ないということに
あなたという太陽は 決して振り向いてはくれないのですから





あなたを好きでいることは 秘密の卵を育てるようなものでした

大切に大切にあたためて
想いというものが
何を生むのか確かめたい それだけで……


けれど 知っておくべきでした


いくら愛を注ごうと その卵は孵らないということに
あなたに貰ったその卵は 初めから空っぽだったのですから





好きでした……大好きでした

愛していました

言葉などでは言い尽くせないくらい
あなたは私の希望そのもの 光そのものでした

あなたの言葉が欲しい
笑顔が見たい でも もう遅すぎる

いくら愛しても あなたはもう笑ってもくれない
思い出すのは最後の冷たい一瞥
これから忘れられていくだけの透明な私は 一体あなたの何だったのでしょう?





もういい と言いたい

どうでもいい と笑いたい





影が手招きをする
闇に抱かれて 早く楽になれと 私に囁いて微笑う
あなたより優しい声で あなたより甘い言葉で


あなたから逃れるにはそれしかない――と


忘れてしまえば楽になれるのに
忘れてしまうことを恐れる私に 逃げ場はもうありません

そして私は 堕ちるしかない





諦めたい
でも本当は…諦めたくない?

もう遅い



あなたは道を見つけてしまった 私なしで

私のいない道を


あなたにとっては小さな変化でも
私にとっては最後の衝撃

ありがとう 夢を見せてくれて

いま 私も遠くへ旅立ちます

私はようやく あなたから自由になります


これが本当に最後だから
おやすみなさい 今でも愛しい人よ


そして

さようなら
…懐かしい人









<あとがき>
…よくわからないポエムですね。
一応、無やらメリュジーヌやら辺りのレナの気持ちということで。本当はこの辺りの話の小説を書きかけていたんですけど、恐ろしく長くなってしまい…全くまとまる気配を見せないので、思い切って主な内容(つまり『バッツ…』な辺り…^^;)を抽出→ポエム化してみました(←ここで「ポエム化」という発想も謎なんですが)。そういうわけで、書いてる本人しかわからなそうなパートがちらほら…(死)。小説版の方は…まあ、その内書き終わることがあれば、出すこともあるでしょう…(^^;)。


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